金属スクラップ、非鉄金属、電線、銅くずなどを取り扱う事業者様から、最近よくご相談いただくのが、いわゆる「金盗法」(金属盗対策法)に関することです。
「千葉県の特定金属類取扱業の許可を取っていれば大丈夫ですか?」
「古物商許可とは別に手続きが必要ですか?」
「銅くずを少し扱っているだけでも対象になりますか?」
このような疑問を持たれる方は少なくありません。
金属に関する規制は、古物商許可だけでなく、千葉県特定金属類取扱業の許可や、新しくできた金盗法に基づく届出も関係してくるため、少し分かりにくい分野です。
この記事では、千葉県で金属スクラップ、電線、銅くず、非鉄金属を取り扱う事業者様向けに、金盗法と千葉県の特定金属類取扱業の関係を分かりやすく整理します。
金盗法とは?
金盗法は、金属盗難を防ぐために作られた新しい法律です。
正式には「盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律」といいます。
近年、太陽光発電施設の銅線ケーブル、道路のグレーチング、マンホールの蓋、建設現場の金属資材などを狙った盗難が問題になっています。私の友人の太陽光発電施設からも銅線が盗まれています…。困りますね。
盗まれた金属類が売却され、流通してしまうことを防ぐため、金盗法では主に次のような規制が定められています。
- 金属盗に使われやすい工具の隠匿携帯の禁止
- 特定金属くずを買い受ける事業者の届出
- 取引相手の本人確認
- 取引記録の作成・保存
- 盗難品の疑いがある場合の警察への申告
特に、銅くず、銅線、銅管などを買い受ける事業者様は、金盗法の対象になる可能性があります。
千葉県では特定金属類取扱業の許可制度があります
千葉県では、金盗法とは別に、すでに千葉県特定金属類取扱業の規制に関する条例があります。
千葉県内で一定の金属類を営業として売買・交換などする場合、千葉県公安委員会の許可が必要になります。
対象となる金属類の例は、次のとおりです。
- 電線
- グレーチング
- マンホールの蓋
- 敷鉄板
- 足場板
- 銅板の建設材料
- ハンドホールの蓋
- 消火栓の蓋
- 防火水槽の蓋
- 案内板に使われる金属板
- 橋や学校などの施設名が表示された金属板
実際のご相談でも、「まさかこれも対象になるのですか?」と驚かれることがあります。
金属スクラップ業や非鉄金属の買取業をされている場合は、日々の取引の中で対象品目を扱っていないか、一度確認しておくと安心です。
千葉県の許可と金盗法の届出は別の手続きです
一番注意したいのは、千葉県特定金属類取扱業の許可と、金盗法の届出は別の制度という点です。
千葉県特定金属類取扱業の許可を受けていても、金盗法上の届出が不要になるとは限りません。
反対に、金盗法の届出が必要な場合でも、千葉県条例の許可が不要になるとは限りません。
取扱内容ごとに整理すると、次のようになります。
| 取扱内容 | 必要となる可能性がある手続き |
|---|---|
| 電線、グレーチング、マンホール蓋、敷鉄板などを扱う場合 | 千葉県特定金属類取扱業の許可 |
| 銅くず、銅管、真鍮製バルブなどを買い受ける場合 | 金盗法に基づく届出 |
| 電線や銅製品など、両方に関係するものを扱う場合 | 千葉県特定金属類取扱業の許可+金盗法の届出の両方 |
実務上は、「どの許可が必要か」を考える前に、まず何を、どのように、誰から買い受けるのかを整理することが大切です。
同じ金属を扱っていても、品目や営業形態によって必要な手続きが変わることがあります。
銅くずや電線を扱う場合は特に注意!
金盗法では、盗難防止の必要性が高い金属くずが規制の対象になります。
千葉県警察の案内では、たとえば次のようなものが対象になり得るとされています。
- 銅管
- 真鍮製のバルブ
- 銅くず
- エアコンの室外機
※古物に該当するものを除く
また、銅製の電線や銅板の建設材料などは、千葉県条例と金盗法の両方に関係する可能性があります。
銅は金属盗難の被害と関係しやすい品目です。そのため、銅くずや銅線を少しでも扱っている場合は、「小規模だから関係ない」と考えず、対象になるかどうかを確認しておくことをおすすめします。
特定金属くず買受業の届出について
金盗法では、特定金属くずの買受けを営業として行う場合、営業所ごとに、都道府県公安委員会への届出が必要になります。千葉県内に営業所がある場合は、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課が窓口になります。
千葉県警察の案内では、特定金属くず買受業の届出は令和8年6月から受付開始とされています。
制度開始後に慌てないためにも、今のうちから次の点を整理しておくと安心です。
- 取扱品目
- 仕入れ先・売却先
- 本人確認の方法
- 取引記録の残し方
- 営業所ごとの管理体制
届出後は日々の運用も大切です
許可や届出というと、「書類を出せば終わり」と思われがちです。
しかし、金盗法で大切なのは、届出後の運用です。
特定金属くずを買い受ける場合には、取引相手の本人確認を行い、その記録を残す必要があります。
また、取引内容についても記録を作成し、一定期間保存しなければなりません。
盗難品の疑いがある場合には、警察への申告も必要です。
帳簿や本人確認の方法があいまいなままだと、後から困ってしまうことがあります。
届出の準備とあわせて、実際の取引の流れに合った確認方法・記録方法を決めておくことが大切です。
工具の管理にも注意しましょう
金盗法では、金属盗に使われやすい工具についても規制があります。
一定の大きさのケーブルカッターやボルトクリッパーなどを、正当な理由なく隠して携帯することは禁止されています。
もちろん、工事や業務で必要な工具を持っていること自体が、直ちに問題になるわけではありません。
ただし、車両に積んだままになっていたり、外から見えない場所に保管していたりすると、状況によっては説明を求められることも考えられます。
業務で使用する工具については、次の点を確認しておくとよいでしょう。
- 何の業務で使う工具なのか
- 誰が管理しているのか
- 車両に積む必要があるのか
- 使用しないときはどこに保管するのか
千葉県で金属スクラップ業を始める場合
千葉県で金属スクラップ業、非鉄金属買取業、銅くず買取業、ヤード業などを始める場合、金盗法だけを確認すればよいわけではありません。
事業内容によっては、次のような手続きも関係します。
- 古物商許可
- 千葉県特定金属類取扱業許可
- 金盗法に基づく届出
- 産業廃棄物処理法
- ヤード・資材置場に関する規制
- 農地法
- 開発許可
- 建築・消防関係の手続き
特にスクラップヤードや資材置場の案件では、警察署への手続きだけでなく、土地利用や周辺環境への配慮が問題になることもあります。
事業を始める前に、取扱品目と営業場所をあわせて確認しておくことが大切です。
まとめ
金盗法は、金属盗難を防ぐために作られた新しい法律です。
千葉県では、これとは別に、千葉県特定金属類取扱業の許可制度もあります。
そのため、千葉県で金属スクラップ、電線、銅くず、グレーチング、マンホール蓋、敷鉄板などを取り扱う場合は、次の点を確認しておきましょう。
- 千葉県特定金属類取扱業の許可が必要か
- 金盗法に基づく届出が必要か
- 古物商許可との関係はどうなるか
- 本人確認や取引記録をどう管理するか
- 土地利用やヤード関係の手続きも必要か
制度が複数あるため分かりにくい分野ですが、事業内容をひとつずつ整理すれば、必要な手続きは見えてきます。
千葉県で金属スクラップ業、非鉄金属買取業、銅くず買取業、ヤード業などを始めたい方、またはすでに営業していて制度への対応に不安がある方は、お早めにご相談ください。
ご相談について
TOMOE行政書士オフィスでは、千葉県の事業者様向けに、金属スクラップ業・非鉄金属買取業に関する許可や届出のご相談を承っております。
- 千葉県特定金属類取扱業許可
- 金盗法に基づく届出準備
- 古物商許可
- ヤード・資材置場に関する手続き
- 土地利用に関する確認
「自分の事業が対象になるか分からない」
「古物商許可だけで足りるのか不安」
「千葉県条例と金盗法の違いを整理したい」
このような段階でも大丈夫です。
まずは現在の事業内容や取扱品目をお聞きし、必要な手続きを一緒に整理いたします。

